【佐賀探訪】三重津海軍所跡がついに世界遺産へ第一歩

三重津海軍所絵図
三重津海軍所の様子(佐野常民記念館のホームページからリンク)
当館から車で40分、佐賀市諸富町の早津江川沿いにある「三重津海軍所跡」が、UNESCO(ユネスコ:国連教育科学文化機関)の諮問機関より、「明治日本の産業革命遺産」とされる8県23施設の一つとして、世界遺産に記載すべきと勧告を受けました。
これにより、「三重津海軍所跡」の世界遺産登録はほぼ確実となりました。

佐賀の宝・三重津海軍所跡 世界遺産へ : 佐賀新聞

三重津海軍所は1858年(安政5年)に佐賀藩によって創設された海軍の伝習機関(海軍学校)で、翌年には幕府が長崎に置いていた長崎海軍伝習所閉鎖に伴いそこで学んでいた佐賀藩士の士官教育を継続するため必要となった船の修理場(ドック)などを拡充し、以後幕末から明治維新に至る激動の時代の推進力の一つとなった蒸気船・西洋式帆船等の根拠地として蒸気船の修理・製造が行われ、日本の海運力・海軍力育成の拠点の一つとなりました。
維新後、鍋島家の後ろ盾が無くなり廃止されますが、同地に1902年(明治35年)「佐賀郡立海員養成学校」が開設され、以後、「郡立佐賀甲種商船学校」を経て「佐賀県立佐賀商船学校」となり、1933年(昭和8年)に廃止され、その後歴史の影に埋もれ忘れ去られていきます。

二昔前までは、三重津海軍所の絵図は残っていたもののこの絵図が運用された時期より後世の作だったため信憑性を疑われ、実在したかどうかも怪しまれていたそうですが、2001~2003年と2009~2011年の発掘調査で絵図とほぼ準ずるような遺構が発見され、一緒に行われた古文書調査により同地に船舶機関に加え、海員(士官・水夫)教育や蒸気缶製造等の西洋船運用に関る施設群が存在したことが共に確認され、この時から歴史上の存在として復活しました。

三重津海軍所跡の北側(H26年10月時点)
三重津海軍所跡の北側(H26年10月時点)
以前一度、社員みんなで見学に行ったことがあります。
往時の三重津海軍所には、「海軍寮(役所・学校機能)」エリア、「舟入場」エリア、「訓練機能」エリア、「製罐所・船渠」(蒸気缶製造・ドック機能)エリアなどにわかれていたそうです。
しかしながら、残念ながらただの河川公園にしか見えません。

三重津海軍所跡の南側
三重津海軍所跡の南側(H26年10月時点)
三重津海軍所のメインといえるドライドック(水を抜くことが出来る修理場)は木と粘土などを使って作られており、空気中に露出した状態にすると風化を促進してしまう可能性があるため、発掘調査を行った後埋め戻しされたからです。

今後、世界遺産登録に向け、往時の三重津海軍所を体験・理解出来るような展示を整備していくそうで、先日はヘッドマウントディスプレイを使った仮想現実でタイムスリップする装置が登場しました。

三重津海軍所をもっと身近に、三重津タイムクルーズを体験してきました! : クリップ佐賀

今後より一層魅力的なスポットとして整備されていってくれたらと思います。

なお、三重津海軍所は併設されている(と言うか現時点ではこちらの方がまだメインの)「佐野常民記念館」の裏手にあります。
上のVRを使った機器などもここで貸し出ししているようなので、観覧する際は「佐野常民記念館」とセットで観覧されることをおすすめします。

佐野常民記念館のホームページ
観覧料は大人300円、小人100円です。
お問合せは佐野常民記念館(TEL:0952-34-9455)へどうぞ。

※この記事は投稿日時時点の情報です。継続的な情報更新は致しません。最新の状況についてはお問合せご確認下さいますようお願いいたします。